SF終末・ポストアポカリプス
五十対五十
投票の結果は、五十対五十だった。
林一哉は開票の場に立ち会い、その数字を見て、笑い出したくなるのをこらえた。笑い出したら止まらない気がした。
人類が百人になった。
正確には九十七人だ。最後の集計では九十七人の生存者がいた。しかし三人が投票前に亡くなった。だから今日の有権者は九十四人で、うち六人が投票所まで来られなかった。
八十八票。賛成四十四、反対四十四。
「残り続ける」か「コールドスリープに入る」か——これが最後の選択だった。
賛成は「コールドスリープに入る」ことへの賛成だ。五百年後、地球環境が回復したタイミングで自動覚醒する仕組みを、生き残ったエンジニアたちが作り上げていた。反対は「今をこのまま生き続ける」ことを選ぶ。残った地球で、残った百年分の寿命を使い切る。
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#SF短編#ポストアポカリプス#民主主義#Epoch#終末の選択
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