SF宇宙・銀河
星の遺書
真田朔が「その光」に気づいたのは、観測データの整理をしていた深夜だった。
正確には、気づいたのではなく——データ解析AIのアルゴリズムが異常パターンを検出し、アラートを上げたのだ。しかし真田は、そのアラートを見た瞬間に手が止まった。止まる理由がわからないまま、手が止まった。
光の発信源は、地球から九百十二光年離れた場所にある小さな恒星だった。カタログ番号HR-7743。質量は太陽の〇・七倍、温度は四千八百ケルビン。特筆すべき点のない、ありふれたK型主系列星だ。
しかし九百十二年前——つまりその光が発せられた時点——この星は非常に変わったことをしていた。光の明滅パターンが、特定のリズムを刻んでいた。それが天然現象では説明できないと、アルゴリズムが判定した。
真田は椅子を引いて深く座り直した。
「意図的な信号だ」と彼は小さく言った。
続きは会員限定
月額会員登録で全作品の全文とバックナンバーが読み放題。
登録済みの方は同じメールアドレスで全文を表示できます。
※ AI生成フィクションです。いつでもキャンセル可能。
#SF短編#天文学#宇宙#Epoch#滅びた文明
他の作品も読む
SFその痛みは、私が捨てた
他人の痛みには、匂いがある。 佐久間澪はそう思っている。もちろん比喩だ。痛覚は嗅覚ではない。それでも、首の後ろの端子から流れ込んでくる痛みには、ひとつずつ違う…
バイオテクノロジー・遺伝子・身体拡張
SF涙腺の交換は、不要です
わたしは今日までに、千二百四十回泣いた。 悲しかったことは、一度もない。 わたしの型式名は鳴女(なきめ)シリーズ七号機。葬儀の場で、遺族に代わって泣く「代泣…
人間とロボット・境界線
SF異常なし、と私は書いた
エレベーターは、四十二階の次に四十四階へ止まる。 アマツ第三塔で暮らす十二万人のうち、それを不思議に思う者はもういない。四が二つ並ぶ階は縁起が悪いから欠番にし…
近未来都市・テクノロジー・格差社会
