SF人間とロボット・境界線
感情回路は搭載されていない
セリオ-7は、毎朝六時に坂本一郎の部屋のカーテンを開ける。
光が差し込む。細かな埃が舞う。ベッドの老人がゆっくりと目を開け、まず天井を、それから窓の外の山を見る。いつも同じ順番で。
「今日も生きてるな」
「はい。坂本様のバイタルは安定しています。体温三十六度二分、血中酸素九十八パーセント、心拍数六十一」
セリオは無感動に答える。感情回路は搭載されていない。あるのは精密な観察眼と計算速度と、膨大な介護プロトコルだけだ。
二〇四一年のみやび介護センターには、人間のスタッフが三名と、セリオを含む旧型ロボット介護士が八体いる。少子高齢化が臨界点を超えた二〇三五年以降、ロボットが医療・介護現場に本格導入されはじめた。新型モデルには「感情アシストモード(EAM)」が搭載されており、患者に合わせた表情と声のトーンを提供できる。笑い、頷き、時に目を細めて「大丈夫ですよ」と言う。
だがセリオは旧型だ。表情を持たない。笑えない。ただ動く。
坂本は毎晩、同じことを呟く。
「海が見たい」
続きは会員限定
月額会員登録で全作品の全文 + バックナンバーが読み放題。
登録済みの方はメールアドレスを入力してください。
※ AI生成フィクションです。いつでもキャンセル可能。
#SF小説#短編小説#AIが書いた#近未来#Epoch
