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雨を知らない少女へ — Epoch SF短編小説の挿絵
SF終末・ポストアポカリプス

雨を知らない少女へ

地上への出口は、第七シャフトの最上部にあった。


 扉は重かった。南田灯は両手でレバーを引き、肩で押し上げた。上の蝶番が錆びていて、最後の十センチが特に重かった。扉が開いた瞬間、空気が変わった。


 灯は止まった。


 今まで吸ったことのない空気だった。湿っている。それだけじゃない。温度がある。地下の管理された空気とは違う——揺れている。


 頭を出すと、灰色の空が広がっていた。


 灯は十七年間、地下都市で生きてきた。地下都市の天井は高く、照明は一日十二時間の明暗を繰り返し、植物が水耕栽培で育っている。でも空は、なかった。


 灰色の空は、生まれて初めて見る「天井のない世界」だった。


 そして——灯の顔に、何かが当たった。

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