SF終末・ポストアポカリプス
最後の読者
最後に訪問者が来たのは、七年前だった。
片岡弘樹はそれを正確に覚えている。覚えていることしか、今はすることがないから。
文明が崩壊した——というのは大げさな表現かもしれない。崩壊したのではなく、縮んだ。人口が急速に減り、都市が機能を失い、電力が不安定になり、人々が小さなコミュニティに散り始めた。弘樹が守る図書館は、かつて区の図書館だった建物だ。今も電気が来ている。発電機があるからだ。
蔵書は二万三千冊残っている。デジタル化されなかった本が多い。紙の本だ。
弘樹は毎朝、棚を一列ずつ点検する。湿気のチェック、虫食いのチェック、背表紙のひびのチェック。誰も来なくても、続ける。来なくなる前から続けていた習慣だから。
そこへ、その子が来た。
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#SF短編#ポストアポカリプス#図書館#Epoch#終末
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