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二百年目の春 — Epoch SF短編小説の挿絵
SFバイオテクノロジー・遺伝子

二百年目の春

村に若者が来たのは、三月の終わりだった。


 上野誠司は小さなリュックを背負い、あぜ道を歩いてきた。二十三歳。農業研究所からの派遣研究員だという届け出が一週間前に来ていた。


 「椎葉村」は、公式には存在しない集落だ。地図には載っていない。住所もない。しかしここに、二百十七人が暮らしている。全員が、老化遺伝子を除去する手術を受けている。


 手術が行われたのは、百九十七年前だ。


 最初に手術を受けた世代は、今も生きている。外見は三十代から四十代で止まっている。しかし記憶は二百年分ある。


 「初めて来た若者だ」と村の誰かが言った。若者、というのはこの村では特殊な意味を持つ。老いていない者という意味だ。

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#SF短編#不老#バイオテクノロジー#Epoch#生と死